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新、何が「事実」か Ⅴ

人間は生まれたときから親など誰かに育てられて成長する。
何が成長するかといえば、体と頭脳である。
それは「事実」と誰も認められると思う。

成長して体(力)を使って何かができるようになる。
それは自分の可能性が成長することでもあり、
その可能性で自分の欲望を満たすことができる。これも「事実」である。

その可能性で「あれをしよう、これをしよう」と夢が芽生える。
このようにして未来が生まれ「時間」の感覚が生まれてくる。
それらも「事実」である。

大事なことは「力」と「時間」の関係である。
生まれたときには何の力もなかったことも「事実」であるし、
成長するにつれて「力」を獲得してゆくことも「事実」である。
その「力」が何かにとどく範囲が可能性の範囲である。
この可能性の範囲が「時間」の巾でもある。
これが「時間」という概念の生まれた瞬間である。これも「事実」である。

ここに挙げた「時間」は未来の時間であるが、
過去の時間は「新、何が「事実」かⅢ」で述べた「記憶」の中にある。
いずれも現在の自分のなかにあるものである。

人間の生きる目的はこの未来に向かうことなのだ。
そしてその目的を背後から押しているのが、
「あれが欲しい。これも欲しい」という欲望なのである。

考えてみれば「感情」というのは欲望につながっている。
「新、何が「事実」かⅡ」で述べた「青い空は気持ちがいい」
「笛の音はさわやかだ」「この臭いは耐えられない」
「この味は好きな味だ」「この肌触りは心地いい」というその人の感情、
また「胃が痛い」や「頭が痛い」「気分が悪い」という感情、
これらは積極的に求めるか、積極的に避けるか、
とりあえず「力」に直結して行動に結びついているのである。


新、何が「事実」かⅥへつづく、
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